「三纈(さんけち)」とは三つの染色技法を表す総称。
その起源は非常に古く、日本には奈良時代に中国から技術が伝わったとされています。
三つの染色技法とは、
「纐纈」(こうけち)‥絞り染め
「夾纈」(きょうけち)‥板締め染め
「臈纈」(ろうけち)‥ろうけつ染め
工芸染色の原点ともいえるこれらの技法は、日本人の豊かな感性と高い技術によって他に類を見ないほどに発展していきました。
今では希少になった染色の技。効率が求められる今の世の中に対して、手間を厭わず、一枚一枚の布と誠実に向き合う職人の優れた「手」によって作られた、「生きた布」をお届けします。




有松絞りは、名古屋市有松で400年以上にわたり受け継がれてきた伝統技法。その始まりは、名古屋城築城のために訪れていた豊後(現在の大分県)の人々が使っていた「豊後絞り」に着想を得たことがきっかけと伝えられています。
今回は、代表的な技法のひとつ「手蜘蛛絞り」を使い、個性豊かな商品に仕立てました。一枚の布全体に絞りを施す総柄は、根気と熟練の技を要します。3mの布を絞り上げるとわずか40cmほどに。その形はどこかユニークで現代の造形作品のようにも見えます。
絞りによって伸縮性と立体感のある個性的な布に変化し、タペストリーやオブジェ、ソファやベッドの掛け布などのインテリア、そしてファッションとしても楽しめます。
「帽子絞り」は、文様部分に竹の皮やビニールなどを巻き付け、染料が入らないようにする防染技法。その形が帽子をかぶせたように見えることから、この名で呼ばれています。
今回、京都で三代目を継ぐ、若手の絞り職人と製作しました。遠目には小さな水玉模様のように、近くで見るとひとつひとつが帽子絞りだとわかる、さりげなく小粋な表現。
生地はウールにシルクを混紡して織り上げ、薄手ながらしっとりとした暖かさがあります。
控えめながらも個性的なゆらぎがあり、さまざまなシーンやコーディネートに取り入れられます。
手仕事だからこそ生まれる、一枚ごとの違いもお楽しみください。
村山大島紬の板を使い、天然藍で染めた美しい布。図案に合わせて溝が彫られた「絣(かすり)板」という板で生地に細かくギャザーをつけながら挟むことで、溝の部分にだけ染料が浸透して絣り模様に染め上がります。気の遠くなるような非常に細やかな手仕事によって、複雑な染模様が現れます。
そして、染料である「天然藍」を使い、きれいに染め上げるには「藍」の状態を見極める技量も必須。藍の様子を丁寧に見極めながら、布のセット方法や板の枚数、染料に浸す時間などを調整します。
決められた工程をただ繰り返すのではなく、素材と向き合い、その時々の状態を見ながら手を動かす。その積み重ねから生まれる、深みのある色と手仕事ならではの豊かな表情が魅力です。
古くから伝わる染色技法「臈纈(ろうけち)」に着想を得て生まれた、オリジナルの「彩纈染め」。臈纈とは、布に蝋を施して染まらない部分をつくり、模様を出す防染技法です。
彩纈染めでは蝋の代わりに、もち米と炭を使った独自の糊を使用。糊を布全体に施して乾燥させた後、生地を巻いて強く握ることで糊を細かく割ります。そこから染料を入れることで、糊の割れ目に沿って細かな亀裂模様が浮かび上がります。一つとして同じものがない、とても繊細で表情豊かな模様が魅力です。
古代から続く「纈」の考え方を受け継ぎながら、既存の技法にとらわれず、新しい表現を生み出す。その自由な発想と確かな技術から生まれた、現代の暮らしに寄り添う染めの布です。
10月14日(水)より、オンラインショップのほか、下記店舗で販売いたします。店舗によって品揃えは異なります。
